2020年に開業したサンガスタジアム by KYOCERA(以下、サンガスタジアム)は、京都府初のサッカーやラグビー、アメリカンフットボールなどの球技専用の、21,600人収容可能な競技場です。
サッカーなどのスポーツ観戦ができるだけでなく、クライミングジムや3×3バスケットボールコートなどの付帯施設なども充実。また、スタジアムウェディングといった特別な体験もできるスポットなのです。
今回は、サンガスタジアムを訪れ、担当者の方に施設の魅力や楽しみ方などをたくさん伺いました!
京都駅から約20分。京都の奥座敷として知られる、自然豊かな亀岡にサンガスタジアムはあります。亀岡駅を下車するとすぐ目の前にサンガスタジアムがあり、歩いて約3分ほどで到着!
「京都府の南北をつなぐ亀岡に位置しており、各方面の京都府民の方に訪れてもらいたいと思っています」と担当者さん。スタジアムの前には、京都パープルサンガ後援会から寄贈されたという「蹴鞠像」が。約1500年前に日本に伝来した蹴鞠は、「サッカーの最も古い形態」としてFIFAも認定しているそうです。
続いて、サンガスタジアムの概要について教えていただきました。
「株式会社ビバと株式会社京都パープルサンガが、合同会社ビバ&サンガを設立して運営しています。プロサッカークラブの京都サンガF.C.のホームスタジアムです。2021年の3月7日には『2021明治安田生命J2リーグ』のホーム開幕戦が行われ、約7000人が来場し、大変盛り上がりました。
サンガスタジアムの最大の特長は、屋根の形。観客席の最前列から2メートルも前に張り出していて、ピッチとスタンドの高低差はわずか1.2m。臨場感を持って観戦していただけます。さらに、映像設備も充実しています。バックスタンドの1階壁面と南北のサイドスタンド前に帯状の映像装置を設置。2階のオープンコンコースにはディスプレイが並んでいて、観客席以外からも試合やイベントなどの様子を楽しむことができるんです」
試合やイベントの途中でも、フードやドリンクを買いに行ったりできるのがいいですね。スタンドの下のフードコートには、ホッとするおいしさの食事やドリンク、スイーツなどがあります。京都のお米を使ったご飯や京のお漬け物、出汁のきいたうどんや牛丼など、大人も子どもも喜ぶ食事が揃っていました。
スタンドを訪れると、京都府旗のカラーの紫色で彩られ、とてもきれいです。座席から浮かび上がる「KYOTO」の文字もかっこいい! 座り心地もよく、これなら長時間のスポーツ観戦も集中できそうです。また、飲み物を入れられるカップホルダー、バッグなどを掛けるためのフックも設置。お客さんが楽しく快適に過ごすための工夫が随所にあって嬉しくなりました。フィールドに目を向けると、天然芝の生き生きとした緑色がスタンドの紫色ときれいなコントラストを成しています。ここでスポーツ観戦をしたら、とっても気持ちがよさそうですね。
「サンガスタジアムは、デジタルテクノロジーも導入しています。2階の内部コンコースには約20台の自由視点カメラを国内のスタジアムで初めて常備。ベンチやロッカーで選手はほぼリアルタイムの視聴ができます。360度回したり停止したりもでき、戦術的に活かしてもらえるようサンガFCに提供しています。今後、高校の合宿の練習などにも導入できれば、スポーツアナリストの育成にもつながるのでは、と考えています」
すごい! スポーツのさらなる発展につながりますね。
「サンガスタジアムはプロのスポーツ関係者だけではなく、地元の方にも使ってもらえる運営を目指しているんです。阪神甲子園球場のように、地元の方や関西の学生さんに目標としてもらえるような京都の聖地的な場所にしたいという願いがあります」
ということで、サッカー観戦以外にも楽しめる施設の数々を案内してもらいました。まず、「一番の目玉」といわれ訪れたのが、「グラビティリサーチ サンガスタジアム by KYOCERA」。ボルダリング・リード・スピードウォールの3種をすべて屋内で楽しめる、日本では数少ない施設なのだそう。壁を登るためにつかむ「ホールド」などの突起が付いた壁は、最大で高さ16.5m! すごい迫力です。今、注目されているクライミングを本格的に楽しめるのは嬉しいですね。ここでの体験をきっかけに、将来クライミングの選手となる人が現れるかもしれません。
「スピードクライミングの日本選手権大会が開催され、日本新記録が出たんですよ。普段は、経験豊富なスタッフにレクチャーを受けながら、小学生から大人まで楽しむことができます(有料)」。
さらに、屋外には3×3バスケットコートが2面も! 事前予約をすれば無料で使用できるというから驚きです。太陽の下で伸び伸びとバスケができるなんて、最高ですね。
「バスケットゴールは、京都を拠点に活動する3×3プロバスケットボールチームの『KYOTO BB.EXE』に寄附していただきました。プロのバスケットボール選手の方々が練習しに来ることがあるので、運がよければ会えるかもしれません。また、週末にはプロの選手による子供向けの無料バスケットボール教室なども開催しています」
サンガスタジアムの外には足湯設備もありました。誰でも無料で利用できるとあって、保津川下りの行き帰りに立ち寄る人も多いそう。スポーツ観戦の後にのんびり足を温めて、興奮を鎮めるのにもぴったりですね。一人一人ゆとりを持って座ることができ、サイネージで観光案内を見ながらゆったりと足の疲れをリフレッシュすることができました。
そして、スポーツ好きの大人と子どもに人気なのが、定員約20名のスタジアムツアー(有料)。ツアーガイドさんの案内で、普段は直接見ることができない、選手ロッカーや選手ベンチ、実況放送室などを訪れ、写真を撮ることができます。自分の好きな選手を思い浮かべながら見学すれば、喜びもひとしおですね。ぜひ、予約して参加してみたい!
「今後は、他のスタジアムとは違った内容のツアーができるよう、企画中です。たとえば、時期によっては芝生の中まで入って、実際にボールを蹴ることができたらおもしろいですよね。また、もし実現できるなら日本代表の入場曲を提供していただき、その音楽に合わせて入場したり、大型スクリーンにツアー参加者の映像を流して選手紹介を模したり、といったエンターテインメント重視のツアーを目指していたいです。京都サンガF.C.のファンはもちろん、サンガスタジアムのファンも積極的に増やしていきたいですね」
実はサンガスタジアムでは、2020年からスタジアムウェディングを開始。普段は入ることができないフィールドやスタンドを使って写真撮影ができる「フォトプラン」と、実際に参列者を招いてバージンロードを歩く「挙式プラン」の2つがあります。唯一無二の写真撮影や結婚式を行うことができるので、主役の新郎新婦はもちろん、家族や友人にとっても一生忘れない思い出となることでしょう。
「フォトプランはすでに2組のご夫婦に実施いただいており、挙式プランも複数のご相談を受けていますので、コロナ禍が収束に向かえば、多くの方にご利用いただけるものと期待しています。挙式プランは、天然芝の上で挙式ができたり、上階のVIPラウンジで披露宴を開催したり、さまざまなご要望にお応えできます。希望者は、サッカー好きの方が圧倒的に多いですね(笑)。必ずしも京都サンガF.C.のファンの方ではなく、サッカーのご経験者や広い天然芝の上でフォトジェニックな撮影をしたいという方にも好評です」
常におもしろい企画やイベントを考えているサンガスタジアムのスタッフのみなさん。2020年8月から11月には「ナイトツアー」を開催したそう! 一体どんな内容だったのでしょう?
「サンガスタジアム内にお化け屋敷を作り、参加者の方に体験していただきました。スタッフが作った数々の仕掛けに驚いていただきながら、謎解きを解決しながらゴールするという内容です。19〜21時の開催で1日3組(3名まで)とし、参加費は5000円。大変好評でしたので、今後も開催していきたいと思っています」
何だか怖そうですが、気になるイベントですね! 思い出に残るだけでなく、こんな貴重な体験ができたら友人にも自慢ができそうです。
コロナ禍により、実際に開催できるイベントは限られてしまいますが、いつかイベントを実現しやすい状況になったとき、やってみたいことはありますか?
「人気の謎解きゲームをサンガスタジアム全体を使って、大規模に開催してみたいですね。それから、1〜2歳のお子さんによるハイハイ競争も盛り上がるのではないかと話しています。ただ、天然芝の良い状態をキープするために芝生の上でのイベントは難しいため、スタンドを使った方法を中心に考えています」
なるほど。開催されれば、ますますサンガスタジアムが注目されそうですね。今後の展望についてもお聞かせください。
「密になりにくい、換気が良いといった、広大な面積を誇るスタジアムの強みをいかし、コロナ禍でもできる参加型のイベントを開催していきたいですね。実際、コロナ禍の今、屋外施設の利用希望は高まっています。サンガスタジアムは球技場ですが、地元の学校から「運動会の会場として使いたい」といったご要望をいただくこともあります。
そして、ゆくゆくはサンガスタジアムで京都府の成人式を開催したいですね。人生の中で大きな節目となる成人式をサンガスタジアムでお祝いし、思い出の地として親しんでいただけたら嬉しいです。また、スタジアムの広大な敷地をいかして、子ども向けのドローン教室などもできたらと思っています」
たくさんの夢が詰まったサンガスタジアム。スポーツ観戦はもちろん、クライミングやバスケットボール、ウェディングなどの幅広い体験ができる楽しいスポットとして、今後の展開にぜひ注目して、気になったら実際に足を運んでみてください!
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