京都丹波は、豊かな自然を生かした様々なスポーツが盛んな地域です。
その中で、今回は「熱気球」について紹介します。
秋ごろから春にかけて、亀岡の空に熱気球を見ることがあります。数年前から見かけるこの熱気球は、京都大学熱気球サークルが飛行練習しているものです。熱気球は自然の風を利用するので、飛行場所の地形や天候はとても重要です。稲刈り後の田んぼは熱気球の離着陸にはとても適しており、かつ、比較的風が穏やかな晴天の早朝が飛行の好条件となるので、四方を山に囲まれた盆地に位置する亀岡は、ちょうどよい場所なのです。
【京都・亀岡バルーンフェスティバル】
その亀岡で、令和5年2月に「京都・亀岡バルーンフェスティバル」が開催されました。
全国各地からトップクラスのパイロットが所属する12チームが集結。
メイン会場である保津川水辺公園には、オフィシャル4基を含む16基の熱気球がスタンバイ。観客は間近で見る熱気球の大きさに圧倒され、バーナーの迫力ある音が響くと歓声があがりました。
気象条件が整わず、京都府内で初となる競技会は残念ながら中止となりましたが、搭乗体験、熱気球教室、ecoマルシェの出店もありました。
夜はバルーンイリュージョンが開催され、幻想的な熱気球の違う姿を観られました。会場内に流れる音楽に合わせて、パイロットがバーナーで灯りをともし、観客はスマホのライトで応え、会場内は一体となって夜の闇に浮かぶ熱気球の美しい姿に酔いしれ、盛り上がりました。
京都・亀岡バルーンフェスティバルは、昨年よりも規模を大きくして20基を超える熱気球が集結し、令和6年2月23日~25日に開催されます。
京都府内初の競技会を今年こそ実現させるため、着々と準備が進められています。
京都・亀岡バルーンフェスティバルの詳細は、亀岡市HPからご覧ください。
https://www.city.kameoka.kyoto.jp/site/kankou/41001.html
【熱気球のしくみと競技】
パイロットは、熱気球に取り付けてあるバーナーを点火したり、気球の風船部分(球皮)の温かい空気を外に排出したりして熱気球を上下に操縦しています。
水平方向の移動には「自然の風」を利用します。熱気球を追いかけている地上クルーと連携して、風の吹いている方向や強さを利用し、熱気球の高度を調整して進みたい方向の風に乗り、目的地まで飛びます。
このパイロットの技術と地上クルーとのチームプレーを駆使して、熱気球の競技が行われます。タスクと呼ばれる競技は20種類以上あります。
競技の詳細は、(一社)日本気球連盟HPから→https://jballoon.jp/task
当日の気象状況を考慮して、飛行の直前に競技委員長がどのタスクを行うか決めます。よく行われるタスクは、パイロットがマーカー(砂袋にリボンをつけたもの)を投下し、定められたゴールの中心からの距離が近いチームが勝ちというものです。
京都・亀岡バルーンフェスティバル実行委員の方にお話をお伺いしました。
「熱気球のパイロットになるには、(一社)日本気球連盟公認の〈熱気球操縦士技能証〉を取得する必要があります。熱気球は飛行に適した地形と気象条件がないと安全に飛べません。そのような条件に合う場所で飛行させてもらっていることに、クルーは感謝の気持ちでいっぱいです。熱気球を見て楽しんでもらったり、イベントを開催して地域に活気が出たりすることでお礼になればと思っています。スカイスポーツとして熱気球を観るときには、ある程度のルールを知っていると楽しみも倍増します。競技者と同じ気持ちで風を読んだり、熱気球の動きの意味がわかれば、地上から観ていても、今、熱気球のいるところではどのような風が吹いていて、どのような状態なのかという想像ができて楽しいです。実は、飛行中のパイロットには地上の人がよく見えています。手を振ってくださっている時は、振り返したりしています。
熱気球の飛行は気象条件に大きく左右されます。亀岡では、秋口から春先のよく晴れた霧のない日の出頃が飛行しやすいです。イベントの時も、できるだけ早起きをして見に来てほしいです。『気球は早朝に見るもの』と知っておいていただけるといいですね。」
大空高く舞い上がる熱気球は、豊かな自然の中で鮮やかに映え、人々を惹きつけます。京都丹波では、秋冬の青空に浮かぶ熱気球の風景が風物詩になりつつあります。早起きして、ぜひ間近で熱気球を観てください。
写真提供:亀岡市
参考サイト:(一社)日本気球連盟 https://jballoon.jp/